2024.11.17
Webライティングセミナー「プロWebライター養成5時間集中講座」
Column
2022.12.19
WEBライターの教科書
「Webライター」を始めてみたいと考える人が増えてきました。
Webライターは始める上での障壁が低く、パソコンとネット環境さえあれば誰でも始められるのが大きなメリットです。
ただし、Webライターも「仕事」です。他のお仕事と同じように、優秀な人には高単価な仕事が集まり、そうではない人にはいつまで経っても低単価な仕事しか舞い込んできません。
そこで、改めてWebライターとはどんな仕事なのかということを、ライターを専業にして法人化した私が解説します。
この記事の動画版はYouTubeチャンネル「WEBライターの教科書」をご覧ください。
目次
Webライターとは、Webで公開する文章を執筆する仕事です。文章を執筆してメディアに寄稿し、寄稿した原稿料が報酬となります。
Webライターは、Webに掲載される記事全般を執筆するので、ジャンルは様々です。代表的なパターンをご紹介します。
SEO記事とは、検索エンジンで上位に表示するために対策された記事のことです。
検索者の疑問に答える記事で、検索者のニーズを調査し、それに基づいた記事を執筆します。
Webメディア側で構成がつくられて依頼される場合は、初心者向けの案件となり、単価は低い傾向になります。
駆け出しのライターが経験を積むのにおすすめのジャンルですが、突き詰めることで高単価も可能です。ライター自身にSEOの知見があり、自分自身で検索者のニーズを考え、構成をつくれる人材である場合は、単価が高くなります。
読者がSNSによって拡散されることを狙うために執筆する記事です。話題を呼ぶため、読者が興味を持つような企画を行います。
強い共感性やストーリー性、または有名人が登場するなどして、読者の興味を惹く工夫を行うことが必須です。
Webサイトの内容を充実させるため、読み物として面白いエッセイやコラムを依頼される場合もあります。
ただし、Webライター中級者、上級者でなければ、なかなか依頼を受けることは難しいでしょう。
Webサイトを制作する際、サイトに掲載する文章を執筆します。
コーポレートサイトやサービスサイト、ランディングページなどの文章を執筆し、Webサイトの内容をより閲覧者に伝わりやすくする仕事です。
Webメディアを運営する会社ではなく、Webサイト制作会社から業務を請け負うケースが多くなります。
Webと紙で書くことのもっとも大きな違いは、読者の特性です。
紙媒体は基本的に、一度読み始めたものは最後まで読んでくれます。そのため、文章も全部読んでもらえる前提で執筆できるのが特徴です。
しかし、Webの読者はどんどん離脱します。少しでも読者との空気感、温度感に「ズレ」を感じたら、閲覧を辞めてしまうのです。
紙媒体の読者は「読みたい」と思う人が読んでいる一方、Webの読者は「知りたい」と思う人が読んでいます。Webの読者は文章を読みたいと思っていません。情報を知りたいのです。そこが、最大の違いです。
そのため、Webライティングでは離脱されないように、読者が興味を惹かれる文章を提供し続ける必要があります。「思わず全部読んでしまった」と思ってもらえるような文章を書ける人が、優秀なWebライターです。
文章ではなく、情報で魅了することを意識しましょう。
Webライターの働き方としては、主に2通りです。
Webメディアを運営している企業や、Web制作会社でWebライターとして入社する方法があります。実際に、Indeedで「Webライター」で検索すると、たくさんの求人が見つかります。
ただし、企業の一員になるので、実際は「Webライター」の仕事だけではなく、他の業務も発生する可能性は大いにあります。
ちなみに筆者のキャリアスタートは、企業への就職でした。就職することで、給料をもらいながら学べる点は大きなメリットです。
どこにも所属することなく、業務委託で執筆案件を受けるライターになる方法で、近年特に増えているパターンです。
最初の一歩目としてはクラウドソーシングを活用し、ポートフォリオを充実させます。その後、充実したポートフォリオを持って、各社へ提案しながら仕事を獲得していきます。
自由に様々な案件を受けられる点や、自分で仕事の量をコントロールできる点がメリットです。
デメリットとしては、技術向上の難易度が高い点が挙げられます。誰からも教わらずに仕事だけを受けることになり、自分の力だけで技術を磨かなければなりません。
自分の文章を厳しく見る力や、新しいことに取り組めるチャレンジ精神がないと、技術向上できません。自分ひとりで努力を継続することが重要になります。
Webライターは決して、報酬が高くて稼ぎやすい職種ではありません。ただし、実力がある人は高単価になり、稼ぎやすくなります。
「Webライターの年収の平均」を調査してお伝えすることは、「ミュージシャンの年収の平均」をお伝えするのと同じくらい意味がありません。業種ではくくれず、人によってバラバラだからです。
ここでは、Webライターの報酬額について、いくつか目安を設定し、そのレベルごとにどのようなことが求められるかをご紹介します。
ただし、報酬額というのは一概には言えませんので、あくまで目安です。
「これからWebライターを始める」という未経験の方は、文字単価が0.5円〜1円の案件なら問題なく受注できます。この額は未経験の方でも、得られる報酬です。5000字の記事で2,500円〜5,000円になります。
まずはランサーズやクラウドワークスなど、大手クラウドソーシングに登録し、案件を探していくことになります。
月商20万円程度を稼ぐだけでも、1日2~4本程度書けなければなりません。月商は10万〜15万程度に落ち着き、年商は120万~200万円程度。
副業ならアリですが、これだけでは生活は厳しいかもしれません。実際、バイトを掛け持ちする方も多いようです。
ここで「効率的に記事を書けること」=「技術向上」と考えてしまいがちなので、注意してください。それは「封筒へのチラシ入れ」みたいな、内職作業と同じ発想です。
このレベルにあまり長く滞留することは考えないで、技術を伸ばして単価を上げていく発想が、Webライターとして生き抜くために重要なことです。
質の高いポートフォリオがあれば、すぐに達するレベルです。クラウドソーシングで仕事の受注を始めた人は、まずはこのレベルを目指しましょう。
5000字の記事で7,500円〜1万5000円となるので、月商は18万円〜35万円程度まで目指せます。年商は250万円〜400万円程度まで見込めるでしょう。
継続して仕事を見つけ続けさえすれば、何とか生活はできますが、まだ独立開業は少し怖いかなというレベルです。このレベルの人に求められるスキルは、以下の通りです。
この3点を強化することが重要になります。
このあたりから、だんだん「文字単価」で計算することはなくなり、記事単価で計算することが多くなります。
5000字の記事で17,500円〜25,000円となり、月商も40万円から60万円程度まで見込めます。年商だと480万円〜720万円程度ですが、案件との相性が良い場合や、作業の早い方や調子の良い月ですと、月商100万円を超えることも起き始めます。フリーライターとして独立しても、問題ない状態です。
「作業」の意味合いが強かった執筆が、「クリエイティブ」と見なされるようになってきます。このレベルの人に求められるスキルは、以下の通りです。
このレベルに達していると、クラウドソーシングではなく、ポートフォリオを使えば企業に直接売り込めるようになってきます。
書きたいと思うWebメディアに直接売り込んでみたり、「Wantedly」でライティングの求人を探したりしながら、仕事を探すとよいでしょう。
このレベルになると、基本的に文字単価で計算することはなくなり、記事単価で計算するようになります。5000字の記事で30,000円〜50,000円ほどのレベルです。
このレベルになると「500字で10万円」というような、磨き抜かれた文章を求められることも出てきます。文章にクリエイティブ要素が濃くなれば濃くなるほど、文字単価で報酬を表現する意味がなくなってきますね。
字数の割に1記事1記事に時間がかかるようになってくるので、文字単価の変動のインパクトほど、年商が爆発的に上がることはありません。
月商で60万円〜120万円程度に落ち着くことが多くなり、年商が720万円〜1400万円程度になり、節税の観点から見ても法人化をした方がよい状況になります。
このレベルに求められる能力は以下の通りです。
1ライターとしての信頼が高まっているため、クライアントからも単なる執筆者ではなく、編集者としての役割を担う話も出てくるでしょう。
ライターを育成し、外注ライターをうまく使えるようになると、より事業を大きくできるようになります。ここまで来たときには、さまざまなことにチャレンジして、事業を盤石な状態に持っていく必要が出てきます。
基本的に報酬が安い時の原因は、執筆に「作業」としての評価しか受けられていないことにあります。執筆が「クリエイティブ」として評価を受けられるようにならなければ、報酬は上がらないのです。
執筆が「クリエイティブ」として評価を受けるようになるためには、「目的を持った練習」しかありません。
これは何も特別なことではなく、他のお仕事と同じだと思います。
具体的には、以下のようなことに取り組みましょう。
読んだ人にどのように感じてもらい、どのような行動をとってもらいたいのか。目的を持って、文章を書くようにしましょう。
目的がない文章は、良し悪しが判断できません。目的があれば「目的を達成できるのか」という観点で見直せます。まずは、明確な目的を持ちましょう。
そうすることで、文章のクオリティが上がりやすくなります。
自分の文章を読む時間を大切にしましょう。
文章が上手になるためには「良い文章を読むこと」とよく語られます。もちろんそれも重要ですが、それよりも遥かに大切なのは自分の文章を読むことです。
自分の文章を読んで「わかりにくい」「おかしい」などと感じ、修正する。この「推敲」の行為こそが、文章力をアップさせます。
自分の文章を読んだ人の反応に興味を持ちましょう。
クライアントの反応はもちろん、記事が公開された後に気心の知れた方に読んでもらってもいいでしょう。SNSでシェアしてみて、フォロワーからのリアクションを見てみても構いません。
時には辛辣な意見もあるかもしれません。でも、そういった意見もあって当然。どうすれば、より良くなるのかを考えるヒントにしてください。
ただし、記事がバズってしまったときは、全ての意見に耳を傾ける必要はありません。バズった場合は、本来記事の読者となりえない方からの罵詈雑言も混じってしまうからです。自分の精神を守るためにも、冷静な対応を心がけてください。
同じようなジャンルで執筆している、他の人が書いた文章を読んでみましょう。理想は、同ジャンルで目標とするような書き手やメディアを見つけることです。
その文章がなぜ優れているのかの本質をよく考え、自分の文章に取り入れてみましょう。そういった行動のひとつひとつが、自分の文章の向上に役立ちます。
Webライターという職業には、さまざまなデメリットがあります。
このようなデメリットを補って余りあるほどのやりがいが、Webライターにはあります。筆者が日頃感じている、Webライターのやりがいを紹介します。
雑誌や書籍で文章に触れる層は、文章を読むことが好きな方々です。しかし、Webで文章を読む方々は文章が好きなわけではありません。
そのような普段、情報収集を行わない方々に対して、記事の構成や工夫次第でかなり深い情報を提供できる点は、Webライターの面白いところです。社会的に意義があることだとも思います。
SEOやSNSを駆使して、文章との出会い方までデザインできるのも、面白いポイントです。
Webライターは自分の結果が数字に現れます。読まれた回数はもちろん、検索順位や拡散の数など、数字の種類も様々です。
それらの結果がモチベーションの向上に繋がるのはもちろん、技術向上にも役立ちます。
面白いものさえ書き続けていれば、いつか世間に見つかって、有名になれる可能性もあるのです。結果のみが評価されるインターネットの世界はシビアである反面、夢があります。
SEO記事に関しては、数年前に書いた記事でも、検索上位に残っていれば、新たな読者と出会い続けます。
いつまでも記事が人に大きな影響を与え続ける可能性があるのは、書き手としては大きなメリットだと言えるでしょう。
紙媒体の場合、写真と文章を限られた紙のスペースだけでしか、表現できません。Webの場合は文章量も自由ですし、写真もたくさん貼れます。さらに、動画を貼ることも、リンクを貼ることもできるのです。
表現の幅が広いので、やれることが増えます。まだまだ、Web記事の表現には可能性があると思っています。
通常、ポートフォリオを見てもらうことはなかなか大変なことです。
しかし、Webライターの場合は、面白い記事さえ書けば、勝手に読者が記事を読んでくれます。そして「このライターさんはこんな記事を書く人だ」と認識してくれるのです。
これは新たな仕事を獲得するうえで、かなり強みです。
Webライターとして生き残っていくためには、他の人に真似できないような、自分だからこそ書ける文章を追求する必要があります。そして、たとえ追求したとしても、誰からも見てもらえなければ、知ってもらえる術がないのです。
WebライターならURLを共有するだけで、簡単に人に見せられます。こんなに気軽に仕事の成果を見せられる仕事は少ないのではないでしょうか。
Webはいつだって、弱者の味方です。なぜなら「知らない人が知るために集まる場所」という側面が強いからです。
私たちは「知らない人」のために、コンテンツをつくります。ということは、私たちも「知らない人」の気持ちがわからなければならないのです。
そういった観点で言うと、Webライターの場合は「知らないこと」が武器になります。「知らない」人は、読者目線に立ちやすいのです。詳しい人は「知らない人」の気持ちがわからないので、気持ちに寄り添うことがうまくありません。
一方、「知らない」立場から「知っている」立場に変わったばかりの人は、まだ「知らない」ころの自分の感情を覚えています。だからこそ、読者目線に立てるのです。
最初から博識である必要はありません。自分の頭の中にあることではなく、頭の外のことを調べて書くのが仕事です。知らないことをどんどん知り、感動しながら、仕事をすると、きっとよい文章が書けます。
Webライターの仕事をまとめると、以下のような仕事です。
筆者は「Webライター」という仕事に出会って、人生が変わりました。
あなたもWebライターとして、ぜひWebに面白くて役に立つ文章を投げ込んでみてください。きっと面白い世界が待っているはずです。
一緒に切磋琢磨できることを楽しみしています。Let’s Try!!