オウンドメディアの役割とは? 成功事例から学ぶ重要性

「オウンドメディアってなに?どんな役割がある?」

「公式サイトさえあればいいんじゃないの?」

「オウンドメディアってそんなに重要?」

オウンドメディアとは、企業が商品の売り上げ向上や人材採用といったアクションを促すために自社で保有するメディアのことです。商品紹介や会社の情報開示を目的とした公式サイトとは、目的が異なるのです。

本記事を読むことで、オウンドメディアの役割や重要性がわかりますので、読んでみてください。

オウンドメディアの役割①自社商品・サービスの認知度を上げる

オウンドメディアには、自社商品・サービスの潜在顧客にとって有益となる情報を発信し、潜在顧客との接点を作って認知度を上げる役割があります。

公式サイトでは伝えきれない商品・サービスの魅力を伝え、顧客獲得を目指すことも可能です。

有益な情報を伝えつつ、自社商品・サービスをアピールする具体例を紹介します。

【例

「Wi-Fi機能を外で使うには、公衆無線LANサービスやスマホのデザリング機能、モバイルWi-Fiルーターを利用する方法があります。外出先で使用するWi-Fiルーターは、〇〇(自社商品)がおすすめです。通信の安定性に優れているため、通信速度が遅くなったり、動画が止まったりする心配がありません。また、保証が5年ついているので、故障したときも安心です。」

潜在顧客の悩みを解決するための答えの中で、商品やサービスを紹介します。

商品やサービスを全面的に宣伝した広告色の強い記事は、嫌悪感や不快感を抱かせる傾向にあります。

あくまで自然な流れで紹介しましょう。

オウンドメディアの役割②広告費用を抑える

オウンドメディアは、SEOを施した記事を掲載し、検索エンジンでの上位表示を果たすことで、広告費用を抑えながら商品・サービスを宣伝する役割があります。

検索エンジンで上位表示されれば、広告費用をかけることなく、継続的に宣伝できるためです。

たとえば、チラシによる宣伝は、配布するたびに印刷費用と配布費用がかかります。一方で、記事コンテンツは一度作ると自社の資産として残ります。そのため、追加費用はかかりません。

検索ページの1ページ目に掲載されないと読まれないため、上位表示させるためのSEOが必要です。

オウンドメディアの役割③ブランディング

オウンドメディアには、自社の理念を理解してもらえる内容を発信し、ブランディングする役割があります。

専門性の高い記事や自社のポリシーに則った情報発信を読んでもらえれば、信頼を得やすくなります。信頼を勝ち取ることで、会社のブランドイメージの向上を図れます。

たとえば、検索ボリュームだけを追い求め、自社の理念に反することを発信するのは間違いです。

商品への説得力が低下する可能性さえあります。

それほど、オウンドメディアは、扱うテーマによって企業のイメージを変える力があります。

オウンドメディアの役割④採用活動

オウンドメディアを、採用活動における情報発信として利用すれば、企業が求める人材のミスマッチを防げます。

オウンドメディアには、アピール内容の文字数や項目の縛りがありません。

社員のインタビューや、社内で取り組んでいる活動などについて自由に発信できます。

情報を下調べして応募する求職者は、オウンドメディアの記事を読み込んでから応募するため、ミスマッチが起こりにくくなります。

ただし、よく見せようとしすぎるとイメージの違いが生まれミスマッチが起こることも。

社内イベントの様子やスタッフの口コミなどを盛り込み、正確でありつつも、求職者のイメージが上がるような内容にすることがポイントです。

オウンドメディアは効果ある?成功事例を紹介

オウンドメディアに、効果が本当にあるのか疑問に思っていませんか。

オウンドメディアを通してリード獲得や人材採用、認知拡大・ブランディングに成功した事例をいくつか紹介します。

【成功事例1.リード獲得】WILLOF(株式会社ウィルオブ・ワーク)

株式会社ウィルオブ・ワークは、オウンドメディアを始めたことにより、問い合わせ数と売上の増加に成功しています。

ウィルオブ・ワークが運用するオウンドメディアの目的は「効率的に新規顧客を増やすこと」です。

PV数があってもリード獲得のない記事は削除し、目先の数字ではなく成果指標や事業成長に基づいた戦略のもと、記事を作成しています。

結果、問い合わせ数が月間4〜5件だった2021年1月ごろに比べ、2022年6月ごろになると月間130件程度にまで増加。さらに、数億を超える売上の獲得にも成功しました。

参照記事:​​「PV取れてる記事を消せ」から始まったオウンドメディア勉強会に、大企業の役員も参加するようになったワケ

【成功事例2.マッチする人材採用】メルカン(株式会社メルカリ)

株式会社メルカリは、オウンドメディアを運営することで、自社のカルチャーにマッチした人材の獲得に成功しています。

メルカリが運用するオウンドメディアの目的は「採用後のミスマッチを予防すること」です。

会社のことをありのままに伝え、求職者との認識のズレをなくすように意識しながら運用しました。

その結果、採用活動に成功。数名だった社員が、今では国内だけで750名を超えるほどになりました。

参照記事:「メルカン」はメルカリのカルチャーそのもの ── 理想の採用に貢献するオウンドメディアのあり方とは

【成功事例3.認知拡大・ブランディング】サイボウズ式(サイボウズ株式会社)

サイボウズ株式会社が運営するオウンドメディアは、自社サービスの問い合わせ獲得、採用エンゲージメントの向上に成功しています。

下記の項目を徹底しながら運用しました。

  • KPI・KGIの数値目標は決めない
  • 他のメディアでも読めそうな記事は作成しない
  • 二次情報だけで記事作成しない
  • 読者にとって有益にならない記事作成はしない
  • 企画書だけでジャッジしない
  • オウンドメディアの撤退ラインは設定しない

結果、認知度の拡大とブランディングに成功し、「kintone」や「サイボウズOffice」の問い合わせ獲得、採用エンゲージメントが向上しました。

参照記事:「サイボウズ式」はいかにして“KPIなし”で成果を出したか

成功したオウンドメディアには3つの共通点(コツ)がある

先ほどオウンドメディア運用の成功事例として紹介した3つの会社には、ある共通点があります。その共通点は、オウンドメディアを成功させるためのコツでもあります。オウンドメディア運用をする際は意識しましょう。

目的・成果指標が明確にされている

目的・成果指標はオウンドメディアを運用するうえで欠かせません。

目的・成果指標があやふやでは、会社内で認識のズレが起こり、成果を生み出すのが難しくなるからです。

成果指標は具体的かつ明確にし、成果指標はなるべく数値化しましょう。

たとえば「運用目的はリード獲得、成果指標の問い合わせ件数は200件、資料請求数は100件」のように数値化します。

会社内での解釈に違いが発生しないよう、目的・成果指標は、誰がみてもわかるようにしましょう。

目的に沿った導線づくりができている

目的に沿った導線づくりを行うことが重要です。

たとえば、自社サービスのリード獲得が目的である場合。

問い合わせや資料請求への導線をつくることで、成果につなげられます。

悪い例をいうと、自社サービスリード獲得が目的にもかかわらず、人材採用への導線をつくれば、リード獲得は不可能です。

目的や成果につなげられるテーマを選び、自然な流れで持っていけるようにストーリーをつくりましょう。

継続・改善を繰り返している

オウンドメディアは、成果が出はじめるまでに6か月から1年程度かかるといわれています。

本記事で紹介した3社も、3年以上継続しているところばかり。

コンテンツは、一発で100%のものは作れません。

時間を置いて見直すと、誤字脱字があったり、言い回しがよくなかったりします。

そのため、記事を24時間以上置いてから見直し、改善を加えて徐々に仕上げていきます。

オウンドメディアも、効果測定で課題を見つけ、試行錯誤しながら検証と改善を繰り返すことが大切です。

オウンドメディアのデメリット3つ

オウンドメディアには、当然デメリットも存在します。

コストがかかる

オウンドメディア運用には、記事作成のリソースとサイトの準備にコストがかかります。

社内運用にしても、業務委託で依頼するにしても、その分のリソースや予算の確保は必要です。

また、サイトの開設がまだであれば、ドメイン取得費やサーバー契約費もかかります。

勉強しないと運用は難しい

オウンドメディア運用は、記事作成の勉強をしなければ、自分で運用することは困難です。

作成した記事を検索エンジンで上位表示させるためにはSEOの知識が必要となります。上位表示を狙う検索キーワードを指定し、そのキーワードの検索意図に沿った記事コンテンツを作成しなければなりません。

SEOは「検索エンジン最適化」の略。

SEOは本や専門家が書いたWeb記事などから勉強できます。

勉強に割く時間がなければ、SEOを熟知したライターに執筆を依頼したり、SEOコンサルを受けたりして、専門家に頼るのもよいでしょう。

育てていく必要があり手間がかかる

オウンドメディアは、成果を得るまで期間がかかります。検索順位が上昇し、検索流入に影響が出てくるまでに時間がかかるからです。

検索順位が上昇するまでの間、検証・改善を繰り返してWebサイトを育成します。

定期的な新規記事の更新をするほか、アップ済み記事のリライト(手直し)を行い、検索順位の上昇を図るのです。

社内で管理担当を決めたり、難しければ外注の検討も視野に入れたりするべきでしょう。

オウンドメディアの運用方法は2つ

オウンドメディアの運用方法は「自社内運用」か「専門業者に依頼」のどちらかです。

以降では、簡単な手順やメリット・デメリットを紹介します。

自社内運用

自社内で運用する場合は、下記の手順で運用を行います。

  1. サイト設計(目的・ペルソナ設定・コンセプト・ベネフィット)
  2. 記事制作(キーワード選定とリスト化・カテゴリー決定・コンテンツ作成)
  3. 効果測定(検索順位・PV数のチェック)
  4. 効果測定の結果に基づいた改善作業

オリジナルの手法が確立できれば、他社と差別化でき、SEOの知見が自社に蓄積されるメリットがあります。

また、専門的な内容であっても、知識のない方に比べてわかりやすい言葉で紹介でき、伝わりやすくなるでしょう。

ただ、自分の業務をこなしながら記事制作やサイト制作をするため、業務の負担が増えます。

専門業者に依頼

専門業者に依頼する際は、下記の手順で運用を行います。

  1. 任せる範囲を決める(サイト開設からすべて、記事制作のみ、効果検証のみなど)
  2. 専門業者を探す
  3. 依頼する

人材リソースを削減、専門家の知識を借りれるメリットがあります。

上位表示のテクニックや改善点の修正スキルも期待できます。

ただ、依頼する範囲が多いほど予算は上がり、業者によっては高額になることも。

依頼範囲は自由に決められるので、うまく活用していくことがポイントです。

オウンドメディア運営なら株式会社なかみ

オウンドメディアには、自社商品・サービスの新たな顧客づくり、人材採用のミスマッチ予防、ブランディング、広告予算を抑えるといった役割があります。

ただ、記事が上位表示されないと読まれず意味がないため、SEOを勉強し、分析力も鍛えていかなければなりません。

株式会社なかみは、Webコンテンツ制作専門の企業です。

SEOの知識を駆使した記事作成を得意としています。

オウンドメディアの運用でお悩みなら、株式会社なかみにおまかせください。